本キットで居室などヒトが室内で活動する空間の空気環境を測定することができます。室内空気環境については、シックハウス症候群や化学物質過敏症などを背景として、厚生労働省が室内空気中化学物質濃度指針値（以下、ガイドライン）を定めております。本キットは、国土交通省の定める「住宅性能表示制度」に準拠した方法で、厚生労働省指針値が定められているホルムアルデヒド・アセトアルデヒド・トルエン・エチルベンゼン・キシレン・スチレン・p-ジクロロベンゼンの７成分を対象にしておりますので各物質の指針値と比較することができます。

◎測定場所の選定
　最も過ごす時間が長いと考えられる”リビング”や”寝室”を選定するのが一般的ですが、気になる場所が明らかな場合はその場所を選定するのが望ましいです。第3者に提示を行いたい場合には、外気（外）も測定する必要があります。

◎測定時間
　8〜24時間が一般的ですが、原則として24時間の測定が望ましいです。本測定は測定時間内の平均的な濃度値を測定するものです。一般に14時〜15時が最も温度の影響を受けて濃度値が高まると考えられているので、24時間が難しい場合でも14時〜15時の時間帯は含んで測定を行うと良いです。

◎対策について
　空気中の化学物質濃度は「化学物質の発生量」と「換気量」の関係で定まります。換気量が大きいほど薄まりますので濃度は低くなる可能性があります。また、化学物質を除去する建築材料や塗布剤、空気清浄機の活用も有効ですが、どのようなエビデンスに基づき開発されたものかどうかが実効性のポイントになります。建築材料であれば”小形チャンバー法”、空気清浄機であれば”実大スケールでの実態に合った濃度値での検証”で一定の効果が立証されているものは安心して使用できると思います（環境により効果の程度や有無がことなるので保証は出来かねます）。